米本徳雄先生がまとめられた禊の行法です。



行法概要

1. 正座
  (1)神前に向かって正座し眼を閉じる。(*1)
  (2)膝頭は握りこぶし二つほどあけ、臍の後方の背骨に意識を集める。(*2)
  (3)身体は柔らかくして、足は両拇を重ねるぐらいにする。
   (*1)以下の動作は基本的に眼を閉じた状態で行うのが良い。
   (*2)背筋を伸ばすためのコツ。

2. 拍手(八平手・やひらで)
  (1)指先と手のひらを合わせて意識を集中し、道彦の合図を待つ。
  (2)拍手は、大、小、小、大と四回打つ。
  (3)大は腕を大きく広げ(最大180度)、音高く打つ。小は肩幅ぐらいで打つ(*3)
   (*3)場所が狭く隣の修禊者とぶつかるような場合は、腕の広げ方を加減する。

3. 拝(二拝)
  (1)【一拝目】拍手した手の指先を合わせたまま手のひらを開きつつ口に近づけ、そのまま腹部に下ろしつつ
    上半身は背骨をまっすぐにして前に倒す。上半身を倒しつつ、腕は両脇まで開く。
  (2)【二拝目】上体を起こした後、両手のひらを顔の側に向け指先を合わせたまま目の高さに上げ、次に胸に下げる
    手のひらで胸をおさえて上体を前に倒し、同時に腕を両脇まで開く。

4. 振魂(ふるたま)
  (1)振魂の手は、左手を下に右手を上にして十字に組む。両手のひらは密着せず、
    ウズラの卵ぐらいの空間をつくる。
  (2)丹田に意識を置き、背骨を真っ直ぐにのばして上から下まで全身に意識を通す。
  (3)組み合わせた両手を上下に振る。(小さな楕円を描く気持ち)
  (4)祓の振魂(大祓戸大神の御名奉唱)は、体内の禍津毘を祓い去る行である。この時は、意識を全身に
    ゆきわたらせ、「大祓戸大神」の御名を称えながら意識を張って、体内の細胞に入り込んだ禍津毘を祓い出して
    細胞を覚醒させる。息気を張って直霊を感得する行である。(*4)
  (5)禊の振魂(天御中主太神の御名奉唱)は、「天御中主太神」の稜威を感得し、それを神の身なる我が身に
    注ぎ込む行である。頭頂部【百会(ひゃくえ)小泉門(しょうせんもん)】から稜威を取り入れ、
    背中側【督脈(とくみゃく)】を下って足の裏まで注ぎ入れ、体中を稜威で充満させ、丹田に集め、さらに前頭部
    の顖会(しんえ・大泉門)より天に通じる。(*5)
    (*4)祓は「張る霊(はるひ)」に通じると言う。
    (*5)禊は「霊注ぎ(みそぎ)」に通じると言う。

5. 天鳥船(あまのとりふね)
  ◎古式の鳥船は櫓を漕ぐ動作を繰り返したが、場合により腰を痛める可能性があるため、今回はそれを避けて、
   宇宙の気を取り入れ任脈(にんみゃく)督脈(とくみゃく)を活性化する方法を解説する。
  (1)第一段
   ・(準備姿勢)左足を左ななめ前に半歩出し、両手は親指を握り込む。腕を胸につけて、手の合谷(親指と
    人差し指の付け根の合流点)を乳頭に当てる。
   ・道彦の合図で、「イェーイ!」と発声しながら両手を下へ突出し上半身は前にかがめる。両手が膝のあたりに
    来たころ、腰を前方に張り出し、腰の動きで腕を上げる。
   ・腕が頭上まで来たら、「エーイ!」と発声しながら腕を最初の位置まで下ろす。
   ・(終了)道彦の合図で、左足を戻し直立のまま「大祓戸大神」の御名を称えながら振魂を行う。(*6)
    (*6)中日以降は「天御中主太神」の御名を奉唱する。
  (2)第二段
   ・(準備姿勢)右足を右ななめ前に半歩出し、両手は親指を握り込む。腕を胸につけて、手の合谷を胸につける。
   ・道彦の合図で、「エーイ!」と発声しながら両手を下へ突出し上半身は前にかがめる。両手が膝のあたりに
    来たころ、腰を前方に張り出し、腰の動きで腕を上げる。
   ・腕が頭上まで来たら、「ホーッ!」と発声しながら腕を最初の位置まで下ろす。
   ・(終了)道彦の合図で、右足を戻し直立のまま「天照大神」の御名を称えながら振魂を行う。
  (3)第三段
   ・(準備姿勢)左足を左ななめ前に半歩出し、両手は親指を外にして握る。合谷を乳頭につける。
   ・道彦の合図で、「エイッサー!」と発声しながら両手を下へ突出し上半身は前にかがめる。
    この時、両手は指先に力を入れてパッと開く。両手が膝のあたりに来たころ、腰を前方に張り出し、
    腰の動きで腕を上げる。
   ・腕が頭上まで来たら、「エイッサー!」と発声しながら腕を最初の位置まで下ろす。
   ・(終了)道彦の合図で、左足を戻し直立のまま「天御中主太神」の御名を称えながら振魂を行う。(*7)
    (*7)中日以降は「大祓戸大神」の御名を奉唱する。

6. 雄健(おたけび)
   ・直立姿勢を取り、気力を体中に充満させる。両手の親指は袴の帯にさし込んで握る。帯が無い場合は脇腹を
    しっかりと押さえる。
  (1)第一声。「生魂(いくたま)!」と力強く発声する。背骨と下腹に力を集め、丹田を前方に張り出す。
    <エネルギーを丹田に集める>
  (2)第二声。両手に力を込め、体全体に気を込める。「足魂(たるたま)!」と発声し、両肩の肩甲骨を寄せ、更に
    下に下げる。<丹田のエネルギーを体中に拡げる>
  (3)第三声。「玉留魂(たまとまるたま)!」と発声し、体中にエネルギーを全身から前に向かって発射する。(*8)
    (*8)以前は、両足を爪先立って、腹の力と腕の力を抜かずに、そのまま踵をドンと落す、と言っていたが、
    ただ単に爪先立つのは良くない。足腰の動きによって身体がせり上がって来るなら良い。

7. 雄詰(おころび)
  (1)雄健の緊張をゆるめずに、左足をななめ前に出し、左手は親指を袴の帯にさし込み、左手を腰に当てる。
    右手は人差し指、中指を伸ばし、親指で薬指、小指を押さえ、「百八百万常立命(ももやおよろずのとこたちの
    みこと)!」と発声しつつ頭上に直立させて身構える。この手を「天沼矛」とする。
  (2)肘を曲げ、顔の真横に構え、「イエーッ!」と発声して右足を進めて左足と並列させる。同時に「天沼矛」を
    ななめに打ち下ろし、左の腰の前に下ろす。
  (3)「エーイッ!」の声と共に、「天沼矛(右手)」をかまえた位置に戻す。同時に右足も始めの位置に戻す。
    「イエーッ!」「エーイッ!」までは一息で行う。
  (4)「イエーッ!」「エーイッ!」の動作を三回繰り返す。

8. 伊吹伊吸(いぶきいすい)
  (1)振魂の姿勢より両手を頭上に上げ、腕と上半身を前に倒しつつ、口から静かに長く息を吐き出す。
  (2)腕が真下に降り、上半身が下がりきったら、今度は口から息を吐きながら上半身をゆっくりと戻しつつ、両腕は
   身体の両側を通して持ち上げる。体が直立すると同時に腕は水平になる。ここで掌を返して上に向け、ここからは
   鼻からゆっくりと息を吸っていく。息は全身に浸みこむようにすみずみまで入れていく。
  (3)道彦の合図と同時に頭上で両手を合わせ、振魂の時のように手を組み、旋回しながら降ろす。この時息を
   丹田に捻じり込み、体全体にも捻じり込む。
  (4)道彦の合図で、口から息を吐きながら体を前に倒し腕を下げる。
  (5)二回目は、上記(2)から(4)の動作を繰り返す。
  (6)三回目は、上記(2)から(3)の動作を行い、最後は道彦の合図で息を呑み込む。(*9)
    (*9)息を呑み込むことが出来ない場合は、次の拝まで我慢し、拝の時に吐き出す。




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